楽しみは〜

『たのしみは
妻子(めこ)むつまじく うちつどひ 頭ならべて 物をくふ時』
『たのしみは
まれに魚烹(に)て 児(こ)等(ら)皆が うましうましと いひて食ふ時』


これらは橘曙覧(たちばな の あけみ、1812年 -1868年)という人の
『独楽吟』と題された52首ある連作の一部。
どの和歌も
『たのしみは・・・』で始まり、『〜する時』で締められている。
橘曙覧は貧しい生活の中で、ささやかな喜びや楽しみを見つけて、歌にしたらしい。
150年ほど前の作品なのに、親の気持ちは時代が変わっても同じなんだね。
わかる、わかる。
うちでもみんな揃っての食事は何ものにも代え難い。
息子たちとあと何回くらい一緒にごはんが食べられるのかなと思うと、いっそ大切に思えてくる。
でも、子どもらは食べ終わるとすぐに席を立つのよね。ぷい、ぷい。
『たのしみは
 三人の児ども すくすくと 大きくなれる 姿みる時』
親から離れていくのも、成長の証なんだね。
わたしも日々の生活の中で、小さなしあわせを見つける達人でありたい。