人を信じるべきか、疑うべきか・・・。

日曜の午後、車に乗り込み、さあ出発という時に、年配の女の人が助手席側の窓を叩いてきた。
何事かと話を聞いてみると、お金を持たずに梅田から、タクシーに乗って帰ってきたと言う。
おじいちゃんは出かけているし、カギもないので、タクシーの運転手さんにお金が払えない。
それで、5千円少しのお金を立て替えてほしいというのだ。
タクシーの運転手さんも一緒にいて、家まで行ってみたが家人は留守だと言う。
隣に座っていた夫は財布に手を伸ばしていたが、私は待てよ、と頭を回転させる。
というのは、10数年前、私たち夫婦は異国の地で、詐欺に遭いそうにあったことがあるからだ。
それに、昨日の消費生活アドバイザーセミナーで、民法の立証責任について講義を受けてきたばかりなのだ。
本当に相手にお金を貸していても、それを証明するものがないと、裁判では…。
悪徳商法の例などの講習の後だったので、これは新手も詐欺かも…と疑いながら、
一方ではご近所の人が困っているのを見過ごすわけにもいかないという気持ちも!
取り敢えず、お金をお貸しして、おばあさんの住所と名前を聞いて、簡単な借用メモを作った。
その日の夕食を食べる頃、玄関のドアポケットに封筒が見つかった。昼間立て替えたお金が入っていた。
あ〜、よかった。一部始終を見ていた子どもたちにも、人を見たら疑えと教えなくて済んだ。
いろいろと難しい世の中だ・・・。

それにしても、あの運転手さんも親切だよな〜。考えてみれば・・・。